自分の価値観と子育てを考える―「苦しかった時の話をしようか」を読んで

雑記

こんにちは、まるです。
森岡毅さんの「苦しかった時の話をしようか」を読み、自分なりに次にやるべきことと、子育ての方針に関するヒントを得ることができましたので、本書を読もうと思った背景や学びを含めてご紹介します。

自分は何がしたいのか

楽しそうに仕事をしている人や、自分のやりたいことを心から謳歌している人をとても羨ましく思います。
これまで流されるように生きてきた私は、目の前のことをやっていれば、いずれやりたいことは見つかってくるものだと思っていました。
今の会社に就職した理由も、単にやれることの幅が広いから、でした。できることが多いなら、いつかやりたいことに巡り合えるだろうと。
しかし、就職して数年、今自分がやりたいことをやれているか?と言われると、そうではないように思います。
「30代でこのような状態で良いのか」、「軌道修正はそろそろ難しいのではないか」、と徐々に焦燥感が募るようになってきました。

「苦しかった時の話をしようか」との出会い

ある日、Amazonの欲しいものリストの中を確認していたところ、3~4年ほど前に登録した本書を見かけました。
当時の自分も同じ悩みを持っていて、今は更に問題意識を抱えているのであれば、これは読むしかないと思いすぐに購入しました。
「はじめに」を読むと、本書は元々、著者が子どものために残そうとしたものを書籍化したものであることが分かります。単なるノウハウ本とは異なると感じ、この時点で引き込まれていきました。

「苦しかった時の話をしようか」での学び2選

本書を読了し、自分にとって学びとなった2つのことについて紹介します。

1.やりたいことが見つからないのは自分の「軸」がないから。自分の価値観を知らなければいけない。

小学校から大学までの期間はざっと16年ありますが、自分のことを知っている度合い(本書では”self awareness”と表現しています)を磨く期間があまりに少ないと著者は言います。
確かに、学校で自分自身のことを知るための授業はほとんど受けたことがないですし、自分の進路も何となく自分ができることで決めていました。
冒頭で、経験していく内に自分のやりたいことは見つかってくると考えていた、と記載しましたが、本書ではこれを否定します。

”わかる”ということは、何がわからないのかを、わかることである。考えたらわかることと、考えてもわからないことの境界が自分なりに納得できるようになることだ。

つまり君の不安は、わからないことをずっと放置してきた”うしろめたさの闇”からあふれ出てきている。

【「苦しかった時の話をしようか」(以後書籍名省略) p29】

では、どのようにすれば自分の「軸」が見つかるのでしょうか。本書では内なる声を聞いて自分の「宝物」を探すことに触れられています。

「宝物」はすべての人が持っている。自分の宝物は他人との比較ではないからだ。自分の今を肯定したときに、その今をつくり上げてきた自分の中での相対的な特徴(≒強み)を宝物と定義している。

p32

自分の「宝物」を認識し、それを人生をかけて磨き上げていくことが最優先であると語ります。
また、自身のキャリアの目的を明確にするための手法についても語られています。

私が勧めるのは、具体的な”こと”から発想するのではなく、”どんな状態”であれば自分はハッピーだろうかという未来の理想”状態”から発想することである。

p112

この考えをもとに、私が自分の「軸」を見つけるためにまず初めに行うべきことは、「自分の価値観、すなわち「自分にとっての幸せ」は何か?を考えること」だと理解しました。
「自分にとっての幸せ」が分かれば、具体的にやるべきことも見えてきます。
なお、本書ではさらに自分の強みを見つける方法を紹介しています。

”強み”を見つける最大の近道は、社会との関わりで気持ちよかった文脈(≒自分が好きなことをしている文脈)をどんどん列挙することだ。

p118

こちらは自分の価値観を見つめ直した後に、実践していきたいと考えています。

2. 自分を変えるには努力の継続が必要。

これは新たに得た学びというよりは、著者の言葉が印象的でしたので紹介します。
著者は人は変わろうと思ってもなかなか変われない理由を次のように説明しています。

変わろうと覚悟した時の意識変化と、実際の行動変化までの”タイムラグ”に耐えられないからである。

自分の行動を変えよう!と決心したとする。その瞬間に意識(マインドセット)はもう変わっている。しかし、実際に行動が変わるかどうかは、神経回路と連動する筋肉の動きという物理的な問題なのだ。

p285

意識→行動の変化までには大きなタイムラグが生じるため、変わろうと意識してもなかなか変われずそのまま続かなくなるという流れが、的確に言語化された印象を受けました。
また、ビジネスの現場ではこのタイムラグを温かい目で見守ってくれることはほとんどありません。

その行動変化が君にとって重要ならば君自身は絶対にあきらめてはならない。何度も同じ失敗をしても、あきらめずに上書きし続けることによって、君は新たな行動パターンを獲得できるだろう。

p288

私はブログの運営の目的の一つとして、継続する力、文章力、思考の言語化力を強化していきたいと考えています。このように読書の感想を書くだけでもかなりの体力を使っていますが、この言葉を胸に、力みすぎず自分と戦っていきます。

価値観の見つめなおしと子育ての方針のヒントになりました

「苦しかった時の話をしようか」を読んで、まずは自分の「軸」を見つけるため自分の価値観を見直してみることにします。
ブログを始めることにした理由は、自分にとっての幸せをもとに考えていきました。これが言わば価値観の土台となるのですが、より深堀りしていきたいと思います。
また、本書で語られていた自分のことを知っている度合い(self awareness)を娘にも高められるようにしていきたいと感じました。
娘には自分を知り、「軸」を認識できるように手助けしていきたいです。

なお、本書では、自分自身のマーケティング方法や著者の生々しい実体験、資本主義社会の残酷さといった話も含まれております。
気になった方は是非手に取ってください。

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